「そ、そっか。ならよかった……」


「じゃー、先に行くぞ」



みんなはぞろぞろと出口に向かって歩き出す。


私はそれを見てありがとう、と呟いた。



「心美、ホントに何もされてないか?」



みんなを見送ったあと、タイミングを見計らい私に聞いてくる。


そっと手を握って私の無事を確かめた。



「大丈夫だよ。何もされてない」


「………はぁ。よかった……心美を助けることができて」



………ありがとう……。


朝陽は私のヒーローだよ。ちゃんと私を助けてくれて。いつもそばにいてくれた。


私の………大好きな人。



「なぁ、俺、心美のことが………」


「ストップ。それ以上は言わないで」



朝陽は私の目を見ると真剣な声で言葉を言い放つ。だけど何を言うかわかってしまった私はそれを止めた。


薄々気づいてたんだ。


朝陽の気持ち。だけど、私はそれに気づかないフリをして。