「みんな!」



私はたまらず声を出して駆け寄ろうとしたけど腕を掴まれていたことを思い出す。


うー………最悪。


腕が抜けない。


山本の力が強すぎて腕はビクともしない。



「心美!無事か!」


「朝陽………みんな」



朝陽の姿を見てほっとした。その瞬間、涙が溢れそうになる。


じわりと視界が滲みそうになった。


朝陽がいるだけでこんなにほっとするとは思わなかった。



「役者は揃ってるみたいだなぁ。工藤」


「やっぱり山本か。ココ最近、Skyblueの周りをウロウロしてたみたいじゃねーか。挙句、文化祭まで乗り込んできやがって。許せねぇ。心美を返せ!」



ードキッ。


こんな状況なのに朝陽のセリフを聞いてドキッと胸が弾む。



「タダでは返せねぇな。そっちは人数少なくねぇか?こっちの方が有利だな」



………山本は一体何を考えてるの?