………穴があったら入りたい……。


好きな人の前でこんな醜態を晒すなんて。


急いでティッシュを受け取り鼻をかむ。



「厄介なことになったな。心美は1人でいるのは危険すぎる」


「あ、朝陽?」



何やらブツブツ言っている朝陽の方を見る。


………何か嫌な予感しかしない。



「心美、これからはずっと俺のそばにいろ。学校でも絶対1人になるな。1人になったら今度こそ許さねーからな」


「は?嘘でしょ」


「嘘じゃない。本当は今日の件でもっと説教してやりたかったが今回は木下を助けたからそれに免じて許してやる。だけど次はないからな?」


「…………は、はい………」



朝陽に念を押されて圧に負けて頷いた。


ああ、私の高校生活………自由がなくなってしまった。


自業自得だとわかっていても、暴走族からは逃れられない日々が始まった。