「誰じゃねーだろ。俺だよ。幼なじみの朝陽。……お前、まさか昨日のこと忘れたのか?」



あからさまに不機嫌全開のその不良さんは私の幼なじみの朝陽だと名乗る。


朝陽……あさひ……あさひ……。



「えぇぇぇ!朝陽ぃーー!?昨日のことは夢じゃなかったのーー!?」



玄関に私の悲鳴が響き渡る。


………ウッソ。


昨日のことは本当だったんだ。幼なじみと再会して、過去のことを話して、一緒に暮らすって……。


あ、ダメだ。


混乱してる。



「全く。心美も変わんねぇな。そういうとこ。お邪魔するよ」



固まっている私をよそに自分家みたいにズカズカ上がってくる。



「うわっ、ちょ、待って!本気で私と暮らすの!?」


「あ?当たり前だろうが。親にもちゃんと言ってきたぞ」


「…………」



マジですか。



「お前、バイトやめたか?」


「ううん、まだ」