「……最近はあの家には帰っていないからな。心配するな。大丈夫だ」
私を見てニカッと笑う朝陽。
いや、絶対大丈夫じゃないでしょ、それ。
心の中で思わず突っ込むが口には出さないでおいた。朝陽もそれなりに事情があるのではないかと思ったから。
「朝陽、無理しなくていいよ?私、別に1人でも……」
「無理じゃない。俺が心美と一緒にいたいだけだ。ただ、心美には多少迷惑がかかるかもしれないけど」
「え?どういう意味?」
私は朝陽と暮らせるのは迷惑なんかじゃないけど朝陽から迷惑なんてかけられる覚えはない。
「まぁ、それはおいおい話す。心美……今日は会えて良かったよ」
ーぎゅ。
朝陽が近づいてきたと思ったら私を……優しく抱きしめてくれた。
それは壊れ物を扱うかのように、優しく包み込み、私を安心させてくれる。
そんな、ハグだった。
ードキドキ……。



