保健室の先生にお礼を言って、零と私は靴箱に向かった。
「三咲、今日は一緒に帰ろう。」
「え、でも零は私と帰る方向逆じゃん。」
「三咲がぼーっとして転ばないように一緒に帰ってやるよ。」
なんて言いながら零は楽しそうにケラケラ笑ってる。でもそれも零の優しさだよね。ありがとう、零。今日は零の優しさに甘えさせてもらうね。
「なにそれ!転ばないよ、小学生じゃないんだから~」
「いいじゃんいいじゃん!さ、帰るぞー。あ、今日は自転車押しながら帰ろうよ。」
「別にいいけど、私なら大丈夫だよ?」
「俺がそうしたいだけだから、三咲付き合ってよ。ね、いいでしょ?」
「ふふ。わかった。」
 きれいな夕焼けを見ながら二人で自転車を押しながら帰る。ちょっと暑いけど今日は風が吹いていてそこまで暑さは気にならなかった。好きなアイスとかちょっと苦手な先生の話で盛り上がって気づけば私の家の前まで来た。一時間も歩いたけど、楽しかったせいか全然疲れていなかった。立ち止まって、もうほとんど沈んでいる夕日をしばらく眺めていた。