今日も母は一人で出て行った。私は二階の自分の部屋に閉じこもった途端、涙が溢れてきた。時々過呼吸になって苦しかった。手足がしびれて、動けなくなって、思考回路が遮断されるような感覚だった。
 窓の外にベランダが見える。
 飛び降りたら逃げられるかな。
 うまくいけば死ねるのかな。
 夜中に一人で寂しく死ぬのか。

 そんなバカなことを考えたけど、すぐに我に返った。明日は学校だというのに、夜中の4時に何考えているんだろう。いや、夜中だからそんなことを考えたのかもしれない。窓を開けて深呼吸をする。まだ暑さが残る9月でも、この時間の空気は澄んでいて気持ちがいい。時折風が吹くと、頬に残る涙が冷たかった。裸足でベランダに出てみるとひやっとした。いや、心の状態がそう感じさせただけかもしれない。もう一度大きく深呼吸をして部屋に戻りベッドに入る。今から寝れば2時間は寝られる。いつも通りスマホのアラームを6時にセットして眠りについた。