戻って来たのはアナタひとりでした
おかえりなさい
アナタは
さっきあの人が飲んでいた缶と
同じのを冷蔵庫から出しました
ボクの隣に座って
それに口をつけました
それは、おいしんですか?
ボクはアナタの膝に登って
鼻を近付けました
…
ん…ボクには合わないようです
焼き鳥みたいにおいしい匂いはしませんね
アナタもあの人も
それが好きなんですね
「また沙和に会えた
…
でも、オレじゃなくて
アメに会いに来てんだろうけどな…
…
また来てくれるかな…
…
フ…酔った時ぐらい甘えろっつーの
…
オレのこと、こえーのかな?
オレって、そんなこわい?
…
沙和、いつもスゲーこわそうにするから
オレもそれ以上近付けなくなる
…
沙和に嫌われたくねーし…
沙和のこと、こわがらせたくない
…
なんでかな…
上手くいかねー
…
好きじゃない女は寄ってくんのに…
…
沙和かわいいな…って
いつも抱きしめたくなるのに…
…
ホント、ヤバいわ、オレ
そんな事したら
もぉ沙和、一生ここに来ねーだろーな…
…
あ…いた…
いたわ、ここに…
好きな女…
…
フ…オレにはアメがいるから…」
ーーー
アナタはボクを抱きしめて
ソファーで目を閉じました
珍しいですね
シャワーしないで寝るなんて…
今日はいい日でした
焼き鳥が食べれたので…
おやすみなさい



