あの雨の日のことが忘れられず




次の日の朝、起きて鏡を見たら




「…真っ赤」




思い出しただけでこんな真っ赤って…




もう怖いよ星咲くん。










なんとか顔の熱を冷ましながら



学校に登校しました








「蒼ちゃん おはよ」



「紬〜!おはよぉ」






教室に入ったら


1番に迎えてくれたのが蒼ちゃんでした





「紬顔赤くない?朝から何かあったの?」


と、ニヤつきながらそう言う蒼ちゃん。



「へ?な、なんもないけど!」




「怪し〜…隠し事はなしだぞ!」





なんて、HRが始まるまで雑談をしていました。







「おはよ、夢乃サン」





「!…おはよ」





「朝から元気だね、
…雨、なんともなくてよかった」





「お、おかげさまで」




「なんで顔赤くなってんの?可愛いけど」




「…へ」





自分の顔に触れてみる




「あつい」




「うん、真っ赤だし」




「誰のせいだと…!」




「誰のせいだろうね」






「星咲くんのせいだよ!」



「俺のせいなの?」



じゃあ責任取らなきゃね。




そういい、私の手を引くと


「一限は自習だし、1回くらいサボってみる?」




と言いながら、教室から出ていってしまいました。




蒼ちゃんに助けを求める目線を送ってみたところ




後で話を聞かせてね、と言わんばかりに
ニヤついていました…





「ちょ、どこ行くの!星咲くん!」




「いいとこだよ」





「いいとこ…?」



そう言って、手を繋いだまま階段を上がった先にある扉に手をつけました。