ーピーンポーン。


あ、帰ってきた!


私はドタドタと玄関の方へ走ると鍵を開けた。すると目の前には私の大好きな人が笑っている。



「美奈!ただいま」



そのかっこよくて可愛い笑顔にキュンと胸がなる。


ああ、私……幸せだ。



「おかえり、先輩!」



私は笑顔で彼に抱きつく。



「ただいま。ねぇ、美奈。家では先輩じゃなくて、優太、でしょ?」


「うっ……それ、今指摘する?」



抱きしめられながらモゾモゾと腕の中で動くがきつく抱きしめられているのでビクともしない。


全く……こういうところは鋭いんだから。



「ゆ、優太……」


「はい、よくできました」



恥ずかしくて小さな声だったけどちゃんと聞こえたみたい。


先輩……じゃなくて優太は私をさらに強く抱きしめるとよしよしと頭を撫でてくれる。


それが気持ちよくて目を細める。



「美奈、今日のご飯は何?」