(完)28歳の恋愛事情

「これはっ、違うくて…」





急いで涙を拭き取るけど、次から次に溢れてくるから追いつかない。






「……っはぁ……来て、」





礼央君はそう言うと、優しく手を握り歩き出した。





そのまま連れて来られたのは礼央君のアパート。




「礼央君……ごめんね」





この"ごめんね"にはたくさんの謝りが詰まっている。





まず、エレベーターで感情的に無神経なことを言ったこと。





それから困らせてしまうほど泣いてしまったこと。