オフィスに戻り、奈帆に声をかけると満面の笑みを向けられた。






「椎名君とデートするんだ〜？」




「なんでそれをっ？」




「たまたま聞こえちゃってさ？盗み聞き、させてもらった」




「盗み聞きって…やめてよ」




「いや〜でも可愛いね！椎名君。茉希に必死なんだもん。茉希の一言であんなに喜んじゃってさ…もう椎名君彼氏にしたら？」




「……礼央君ね〜…」






あんなに想ってくれるのはありがたいことだけど。





年下の経験がないから、簡単にはいけない。







「確かに礼央君はいい子だと思う。でも…わたしが求める恋愛は結婚つきだし、まだ若い礼央君が結婚を考えてるとは思えないでしょ？……それに、礼央君のこと、まだ全然知らないから」