「奈帆、帰ろ」




「んー。そうだね」





ムクっと起き上がった奈帆は、資料を集めるなり会議室を出て行く。





忘れもののチェック、電気等の消し忘れ、色んな最終チェックを済ませ、わたしもオフィスに戻った。






「じゃ悪いけど先に帰るね。お疲れ」





奈帆はそう言うと、疲れた笑顔を残し去って行った。






きっと、今のわたしも奈帆と同じような顔してるんだろうな。





来週から更に忙しくなりそうだし、恋愛してる暇なんてなさそう。






このまま一生仕事人間で生きていくのかもしれない。




…そんな未来が見えてしまうから余計怖い。