「生椎名……やばぁ…」






隣で心の声がだだ漏れの奈帆。




「連絡したのに返事くれないから来ちゃいました」




「…あ、ごめん。気づかなかった」





なんて咄嗟な嘘が礼央君に通じるはずもなく…。






「あの、ちょっと茉希先輩借りてもいいですか?」




と奈帆に視線を向けた礼央君に、何度も頷く奈帆は完全にやられている。






オフィスを出て通路で向き合う形になると、口を開いた礼央君。






「さっきの連絡、ほんとは気づいてましたよね?だから俺の話ししてたんでしょ?」




「っ……ごめん…」