(完)28歳の恋愛事情

だから、余計不思議。




この人と礼央君の仲が悪いことも、息子に対する愛情表現が苦手ということも。






「…あの…ユキさんに余命宣告のこと聞きました……礼央君に会うつもりはないんですか?」




「会うつもりはないの。このままあの子の中からもそっと消えていくつもりだから」




「……後悔、しませんか?」




「後悔?…そんなのもうとっくにしてる…だから今更後悔なんて言ってられない」




「…礼央君の気持ちはどうなるんですか?礼央君はこの先、その後悔を背負っていくことになるんですよ…?」





「あの子は後悔なんてしないと思うの。わたしのこと嫌ってるでしょ?それでいいの……それが都合いいから」






……やっぱり難しいのかな。