(完)28歳の恋愛事情

奈帆は驚いた表情とともに、目をキラキラと輝かせる。




「な、なんか…多分からかわれてる?と思うんだよね〜」






素直になれない心を隠すかのようにそう言った。




「なに?椎名君になに言われたの?」




「…わたしのことが気になる…とか、デートに誘う……とか?」




「へ〜。やりおるな、椎名礼央(小声)」




「なに?」




「で?それがからかわれてる、と。そういうこと?」




「だってどう考えてもそうでしょ。あの子23だよ?5歳も上に興味持つ?デートに誘う?あり得ないでしょ。絶対こっちの反応見て楽しんでるよ」






うん、あり得ないよね!




それに、礼央君かなり人気みたいだし、そんな子がわたしになんて絶対ない。