(完)28歳の恋愛事情

「…あっという間の1時間だった」





なんだかお昼食べた気がしない。





椎名礼央……



という人間の存在が濃くなったのは確か。





だけど、それ以上のなにかがあるとは思えない。






会社の先輩後輩…この関係で終わりだと思うんだけどな〜。






「あ、茉希!どこまで行ってたの?心配したんだよ」





戻るなり、奈帆が駆け寄ってきた。





「ごめん。ちょっとランチに」




「珍しい。1人で?」




「……それが…椎名礼央に捕まってさ」




「うっそ!?椎名君!?じゃ2人でランチしてきたの?」