礼央君の声と被るのも無理ない。





至らぬ妄想なんてしてたばっかりに、指を切ってしまった。




「絆創膏あります?その前に消毒しないと」





っ…こんな時でも礼央君は冷静なんだね。




わたしよりずっと大人っぽい。





ソファに座らせられ、消毒を終えると絆創膏を丁寧に巻いてくれた。





「…礼央君ごめんね?こんな彼女で」




「どんな彼女ですか?」




「……なにもできない上に失敗したり…28にもなって料理一つできないなんて笑えるよね…ほんと最悪」




「俺ができるからいいじゃないですか。できるほうがやればいいだけのことです」