(完)28歳の恋愛事情

「仕事も料理もその人のやる気次第でできるものばかりです。簡単なことですよ」




「でも、それができない人だっているんだから…礼央君は胸を張るべきだよ」




「…別にそういうの求めてないんで。俺には茉希先輩が居てくれれば十分です」





と笑ったその顔は、どこか幼く見えた。





まるで弟のような感覚…。




「…食べましょっか」





わたしにお箸を渡すと、ご飯を食べはじめた。





たまに礼央君の心に闇のようなものを感じるのは気のせいかな?…




そんな礼央君に、なぜかこんなことを言ってしまった。