(完)28歳の恋愛事情

「次はなに考えてるんですか?」





料理を運んできた礼央君が疑うような瞳を向けてきた。




「……疑ったりしてごめんね?」




「信用してくれるんですか?」




「…わたしね、別に礼央君になら都合よく扱われてもいいって思ったんだよね」




「……そんな軽い女にならないでください……茉希先輩、俺の彼女じゃもったいないんですよ?高嶺の花、なので」






どこか一点を見つめたままそう言った礼央君に胸が痛む。




「高嶺の花なんかじゃないよ。それに、もったいないって思ってるのはわたしのほうだから。かっこよくて、仕事ができて成績トップ。あと料理も上手!わたしなんてなんにもできないんだよ?」





礼央君と比べれば、わたしなんて……、___