(完)28歳の恋愛事情

「……やっぱりやーめた」




「え…?」





ソファに座り直す礼央君に拍子抜けする。




「キスも、それ以上のこともしません」




「な、なんで?」




「…ここで抱くと、負けなような気がして」




「負け…」




「別に俺、茉希先輩とヤりたくて付き合ったわけじゃないので。そういうのなくてもいいかな、って」




「っ……」




「俺の気持ちが本気って信用してもらえるように頑張りますね」






そう言うと、キッチンへと姿を消した。