(完)28歳の恋愛事情

「特別は特別、だよ」





心を読み取られないように視線をそらす。




「…茉希先輩は手強いな〜」





力無くそう言った礼央君に視線を戻すと俯いてしまった。






「……俺、山之内先輩には興味ないんで。どう突き放されても、茉希先輩が好きです……重い、ですよね」





礼央君はそう言うと顔を上げ、引きつった笑顔を見せた。






…わたしのせいだ。





わたしが礼央君をそういう笑顔にさせてるんだよね。