クリスマス前、あたしは遂に先輩に打ち明ける。

「先輩のことが好きです。」


先輩の第一声は、

「ありがとう。」

だった。

そしてその次に続く言葉を、あたしは予め想定出来ている。

それは、「けど」という言葉。


「けど、さっちゃんは俺にとって妹みたいな存在なんだ。」

分かりきっていたのに、やっぱり現実は辛い。

あたしは、無力だった。

「さっちゃんの事やっぱ好きだし、大事な存在だから、これからも友達でいてほしいな。」

先輩は残酷だ。けどそれは、確かに優しさからだった。

先輩はあたしが望む結果にはなってくれない。それでもあたしは先輩の横にいたいのか、それともいっそ、妹すら辞めてしまおうか。

「あたしもそう思います。これからも友達で。」


あたしはやっぱり諦めが弱くて、妥協でも可哀相でも、何でもいいから結局はこっちを選んでしまう。

惚れた弱みというやつ。

女の幸せとはどこにあるのだろう。

こんなに素敵な人に出会う自信なんてどこにもない。
いつもこれが最高の恋でこれ以上なんてどこにもない。
そう、その瞬間感じることが出来るのは、不幸なのか幸せなのか。
そんなこと、答えが出せそうにもない。