学校卒業まであと3か月ほど。
実習二週間と学校へ戻ってからの2か月の座学、そして最後に残された国家試験。
彼女の学校での成績は院長から看護学校の学校長へ連絡がいき、好成績だと医局長は聞いていた。
後の実習二週間は、退院後。そして、座学については入院中にでもできることなので、それはこちらの病院の看護師たちがなんとかする。
彼女の闘病次第だけれども、国家試験に間に合うのなら、その準備は入院中にできるので、国家試験を受けさせることと、合格できたのなら、卒業をできるようにしてほしいと、院長が学校長にお願いしたところ、その後の就職をこの病院ですることを条件に許可してくれた。
もちろん、職員家族を大事にするくらいの院長だから、この病院での就職条件は即答だった。
仮にもし国家試験に受からなかった場合は、学校は在学中としながらも、看護助手としてこの病院で次の国家試験まで働かせる方向で話はすすんでいた。
その話は良子ちゃん本人はしていない。
国家試験に必ず受かってもらうためにも。
それらのことは野村先生に頼まれて、私がすることとなった。
良子ちゃんは泣いて喜んだ。
もちろん彼女の病室で。



