未知の世界7


リビングのドアを開けると、お父さんと孝治さんは食事を終えてソファに座っていた。




『あったかい?』





お父さんに声をかけられギクリと体が固まる。






そんな私の態度は、すぐに見破られる…






『何かあった?』







テーブルで食事をしているお母さん。







「あ、あの…えっと…。」







モゴモゴと話していると孝治さんがやってくる。







持っている薬を奪い取られ、







『これ、向こうでもらってきたやつか?』






そう言われ頭を下げて返事をする。






「今日の薬…





もしかしたらバスに忘れてきたかもしれません…。」







『『『えっ!?』』』






三人の声が重なる。





「まだわからないけど…バスを乗ってる時から家までなんだか、ボーっとしてしまって。





そこから…その気づいた家にいた感じで…」






言い訳をつらつら述べてみたけど、もう無理だと思って、







「ごめんなさい…」






と深々と頭を下げた。






『はぁ…』






大きなため息を孝治さんがつく。







『かなちゃん、この薬でいいから、飲みなさい。』






お父さんのいつもは聞かないような太い声に、ビクビクしながら頭を下げる。






孝治さんから受け取った薬の中から食前のものを出す。






明日、バス会社に電話して、取りに行こう…





バス会社は朝早くから連絡できるのだから、朝早くに起きて…




そんなことを考えながら、そして再び襲ってくる頭痛に耐えながら薬を飲み込む。







頭痛薬はこの中には、もうなくて。
バスに置いてきた薬の中にある。







うゔ…痛いけど、今はご飯食べなきゃ…







と残りの食事に手をつけた。







ご飯を食べ終わり、お風呂に入る。






頭痛はちっとも治まってなくて、これ以上入っているのは辛すぎて、気持ちも悪い。






早々にお風呂を上がり、何となくドライヤーで頭を乾かすけど、立ってるのがしんどすぎて、お風呂を出た。