〜医局



その頃、かなの手術について検討会が終わり、今後の治療方針を話し合っていた。




「うーん…日本に帰すのはいつにしようか…」




ジャクソン先生と孝治、佐藤先生が頭を悩ませた。





手術をしたから心臓がすぐによくなる訳ではない。




細胞を育てていく必要があるのでしばらくは安静にする。





かと言って病室から出られないのではなく、日常生活を送りながらの経過観察になる。





仕事はというと、激しいことはできないけど、座ってカルテの整理、外来診察、座って講義を受けるなどやれることはある。






ただ問題はかなが大人しくしているかってことと、長いこと日本に帰ってないので、今はいる孝治たちが帰ってから、ホームシックになるのではないかということ。







「それならさ…




おふくろは日本で何かしてるの?




おふくろならこっちに長くいたし、かなの生活をサポートできるんじゃないの?」





と孝治が閃いたように言うと、






「そうだな!お母さんにお願いしようか。




一番かなちゃんが言うことを聞く相手でもあるしな。」