瞬間、ぶわぁっと身体の隅々まで、えも言われぬ感情が駆け巡る。
咄嗟に水原から離れてしまい、それを不思議そうな顔で見上げられてしまった。
それにまた胸がギュンッとなって、てかいちいちこんなことにまで反応してたら身がもたねぇ!?
さっきよくキスできたな、俺!?
いや邪魔されてできてはねぇけどさ。
人間浮かれてると何でもできてしまうのか、それとも今の俺がポンコツへと成り下がってしまったのか、多分その両方なんだろうけど。
それでも今のこの状況を無碍にするほどポンコツではない。
ぅーとか、ぁーとか意味不明な単語が口から出てることにも気づけないくらいにはテンパっていたけれども。
「あ、のさ……」
予想以上に震えた声が口から出て、ぐっと尻込みしそうになる。
水原がうん、と続きを待ってくれるから、なんとか言葉を搾り出す。



