「佑香からだから」
そう言って水原にも見えるように画面を向ける。
『帰りにケーキよろしく』
ここまではまだ許す。これだけならまだ余裕で望みがあった。
『◯◯ってとこね。予約してるから間違えないで』
これこれこれ!
これのせいでキスができなかったんだよ!!
大体こんなもん分けて送ってくるか!?
いっぺんに送ってこいよ!
『そもそも今日の予定にこれも入ってたからね。誰かさんのせいでダメになったから頼んでるってことわかってるよね?嫌がらせとか思ってるでしょ?大体うんぬんかんぬん……』
これに至ってはもう十分に嫌がらせだ。
嫌がらせじゃないって書いてる時点で面白がってるのがわかる。
こんな長文を打ち込んでる暇あんなら自分で取り行けばと思うけれど、約束を破った手前それも言いづらい。
結局この通りにするしかないんだろうけど、最後の最後に仲良くねと書いてあったことになんとも言えない気持ちになってしまった。



