「今日、クリスマスってよ」


水原の真意を測りかね、押すことも引くこともできないまま。

どうしよう。どうすれば?と途方に暮れかけた時


きゅっ。

水原の手が、俺の腕を控えめに握ったのだ。


……押すか引くかじゃねぇだろ。

もうここまで言ってんだ。

今更止まれねぇよ。


くるりと回転させれば、簡単にこっちを向く身体。


赤い顔にうるんだ瞳。
さらには上目遣いときた。

なにが好きか?
そんなの決まってる。


「水原以外にないだろ」

お前のことが好きすぎて、ひとりでクリスマスにはしゃぐくらいには大バカ野郎だよ。


「……うそ」

揺れる水原の瞳に、嘘じゃねぇと。

笑ってそう言えないくらいには、本気なんだよ。


「水原が好きだ」