「今日、クリスマスってよ」


俺は一体何してんだ!?

つーか水原軽すぎねぇ?
そんなに強く引いたつもりはないのに、ふわってなったぞ?

いや、今はそんなことどうでもよくて。


まずちゃんと謝って、そんでなんで逃げるのかを聞かねぇと。


つかなんか良い匂いするな。
多分水原の匂いなんだろうけど、香水とかのキツい匂いじゃなくて、ほんのりとした優しい匂い。

というよりそんな匂いがするほどにくっついていることを今更ながらに実感してくる。


水原が何も言わないからこの状態のままだけど、さすがにやばい。


なにがやばいって、俺の理性が。


なんか良い匂いはするし、水原って意外と小せぇんだなとか覗く首筋にやけに視線を奪われたりとか、あれやべぇ、俺なにしないといけないんだっけ。


ドクンドクンと心臓が暴れ始める。

さっきまでなにを考えていたかなんて全部素っ飛んじまって、ただ水原のことが好きだという事実だけが頭を占めていた。



「好き」


だからってそれをそのまま口に出すのはあまりにも単細胞すぎる。