辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「どうせ、殿下や陛下に自分のことをよく言って欲しいとか、そんな下らないお願いをしてくるだけだ。適当にあしらっておけばいい。大切な人はちゃんときみに紹介するから」

 セシリオが心底嫌そうに口をへの字にしたのを見て、サリーシャは苦笑した。この様子だと、社交パーティーに殆ど出ずに領地に引きこもりだったのも頷ける。ご本人が望んでいるいないに関わらず、次から次へと向こうから人が寄ってくるらしい。

 ゴーン、ゴーンと銅鑼が鳴る。

 サリーシャはその音に反応して、大広間の最奥を見つめた。そこには螺旋階段があり、階段の上にはさほど大きくはないが豪華な扉がある。

「そろそろお二人が出てきますわ」

 サリーシャはそう言いながら、セシリオの腕をくいっと引いた。