辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 大広間の入り口を入ってすぐのところでは、続々と会場入りする貴族達の招待状を文官達がチェックしていた。セシリオも持っていた招待状を差し出す。文官はセシリオとサリーシャの顔を交互に見てから招待状に視線を落とし、小さく頷いた。

「アハマス辺境伯、セシリオ=アハマス閣下とそのご令室、サリーシャ=アハマス夫人!」

 文官が会場に向かって大きな声でセシリオとサリーシャを紹介する。セシリオとサリーシャは一度立ち止まると、深くお辞儀をしてからその会場へと入った。

「アハマス閣下、お久しぶりでございます」
「アハマス閣下、ご結婚おめでとうございます」
「アハマス閣下、また褒章を賜ったとか。おめでとうございます」

 会場を歩き始めるとすぐに、ひっきりなしに色々な人から声を掛けられた。セシリオはそれらを適当にかわしてゆく。