辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 緊張の面持ちで色々と準備を終えて三階の寝室を訪ねると、サリーシャは肌が半分透けて見えるという極めて扇情的な夜着に身を包み、ベッドの端に小さくなって座っていた。

「サリーシャ?」

 セシリオはサリーシャに優しく呼びかける。すると、サリーシャは固い表情のままパッと顔上げた。

「閣下、実は……お願いがございます」
「お願い?」

 結婚して二人きりになっても、やっぱり呼び名は『閣下』なのかとセシリオは少し、いや、だいぶ残念に思った。しかし、今はそんなことよりもサリーシャの深刻そうな表情が気になった。一体どんなお願いなのかと、セシリオは身構えた。いくら愛するサリーシャのお願いでも、この期に及んで寝室を分けたいという要望はきけない。

「あの……、こんなことはお恥ずかしい限りで大変申し上げにくいのですが、閣下には明日の朝、ゆっくりと起きて欲しいのです」
「明日の朝はゆっくりと?」
「はい」