多くはこのアハマスとタイタリア王国を守るための軍事の幹部の者たち、アハマスの政治を担う文官の中でも要職を務める者たち、そして、地方を治める長官達だ。
サリーシャはセシリオと想いを通わせてからというもの、少しずつ女主人となるための勉強を始めていた。辺境伯であるセシリオの治める領地は通常の貴族と異なり、とても広い。そのため、アハマスは全体を六つのエリアに分けて治められていた。中央のアハマス領主館の直轄地と五つの地区だ。セシリオの下で、それぞれの地方長官が担当の地域を治め、隅々まで目が行き届くようにする仕組みになっているのだ。
「閣下、おめでとうございます」
何人目かわからないほど多くの人々と挨拶して、次にサリーシャ達の前に現れたのは口ひげをはやし礼服を着た小太りの中年男性と、豪華なドレスを着た女性だった。
「ああ、ありがとう。アルカン殿、久しいな。遠いところご苦労だった」
「奥様。私は南部のデニーリ地区を治めるウェンリー=アルカンです。そして、こちらは妻のバーバラです」
男性のとなりにいた女性はスカートを摘まみ、小さくお辞儀する。首から下がる大粒のダイヤのネックレスがキラキラと輝いていた。
「本日は誠におめでとうございます」
「どうもありがとう」



