辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2


 小さな秘密の暴露に、サリーシャは表情を弛めた。普段はサリーシャとセシリオ、そして身の回りの世話をするごく限られた使用人達しかいない領主館も、今日ばかりは大賑わいだ。

「みな、楽しそうですわね」
「ああ。きみが来てくれたおかげだな」

 そうだろうか? でも、そうなら嬉しいと思う。

 暫くすると、セシリオとサリーシャの元には次々と招待客が挨拶に来た。最初に来たのは三十代半ばくらいの、恵まれた体躯の男性だった。式典用の軍服を着ているが、セシリオのものよりはずっと飾りが少なく質素だ。

「閣下、おめでとうございます」
「ああ、ありがとう」
「奥様。私はアハマス軍にて第二部隊隊長を務めるデシレ=コスナーです。本日は誠におめでとうございます」
「はじめまして、コスナーさん。ありがとうございます」

 セシリオとサリーシャは祝辞を述べる一人一人にお礼をしてゆく。サリーシャは知らない人が殆んどで、セシリオが小声でどういう人なのかを補足して説明してくれた。