辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 社交パーティーを終えた翌日、サリーシャは御礼状の宛名書きをしていた。社交パーティとは、パーティーが終わればそれでお終いではないのだ。

 ノートを見ながら丁寧に住所と名前を書いてゆく。そして、メラニ-とジョエルの直筆サインが入ったパーティーへのお礼のカードをその便箋へと封入していった。

「まだたくさんあるわね」

 積み重なった封筒の束はまだ十枚くらいはありそうに見える。レニーナとメラニーと手分けしているとはいえ、あと一時間はかかりそうだ。

 ふうっと息を吐いたところで、テーブルの空いている場所にトンっとトレーが置かれた。目を向ければ、トレーの上には紅茶と焼き菓子が乗っている。

「あまり根詰めると疲れてしまう。休憩しようか」

 顔を上げると、穏やかな表情を浮かべたセシリオがサリーシャを見下ろしていた。