辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 メラニーからは深々と頭を下げられた。
 常に凛として女主人をこなしているこの人が、周囲に人がいる状況でこのように頭を下げることは最大限の謝罪の現れなのだろうということは容易に想像がつく。
 泣きながらメラニーに部屋へと連れ戻されるローラの後ろ姿を、サリーシャはただ呆然と見つめることしかできなかった。

 残されたサリーシャとレニーナの間に、妙な空気が流れる。チラリとレニーナを見ると、レニーナは最終確認用のメモを握りしめたまま強張った表情をしていた。

「……わたくし、実はレニーナ様を疑っておりました」

 沈黙を破るサリーシャの告白に、レニーナは肩眉をピクリとさせる。そして、ゆっくりとサリーシャを見つめ返した。

「レニーナ様がセシリオ様のことを慕っていて、邪魔なわたくしを排除しようとしているのではないかと思ったのです」