辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 険しい表情のメラニーに頬を引っ叩かれ、ローラは呆然と立ち尽くした。

「やっていいことと悪いことがあるわ。あなたの幼稚な考えでサリーシャ様には大変な心労をおかけしたのよ。それに、周りにも迷惑がかかったわ」
「ご……めん……なさい」

 謝られても、いつものようにすぐに『気にしないで』と微笑むことは出来なかった。
 この十日ほど、度重なる失敗でサリーシャはセシリオの妻として自分は失格なのではないかと本気で悩んでいたのだ。

 花は花屋が万が一萎れてしまった場合を考えて多めに入荷していたようで、事なきを得た。けれど、ローラの行為は、プランシェ家の名に泥が塗られる可能性だってあった、重大な行為なのだ。

「ごめんなさい。わたくしが昨晩、違和感に気付いた時点で寝ているところを起こしてでも問いただすべきだったわ。もう明日だからパーティーが終わってから話を聞こうと思った、わたくしの判断ミスです」