辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「花屋に連絡は?」
「今、向かわせています」
「そう。困ったわね」

 レニーナはにわかに苛立ったように、右手の指をトントンと落ち着きなく上下させる。
 サリーシャはそんなレニーナの様子を呆然と見つめた。

 ──レニーナ様が書き換えたのではないの?

 なにが起こっているのか、もうわけがわからない。
 社交パーティは今夜だ。なんとしても今夜までに花を用意しなければならない。もし同じ花がなかった場合はそのテーブルだけ雰囲気が違ってしまい、統一感がなくなる。装花を作り直すにしてもこれだけの数だ。一刻を争っていることは確かだった。