辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 使用人が頷き、礼をすると廊下へと去ってゆく。しばらくすると、たくさんの花を荷台に載せて大広間へと現れた。これらの花は、事前にサリーシャが手配して、今朝納品されたものだ。

 サリーシャは使用人が花をセットしていく様子をじっと眺めた。大きな装花がテーブルの中央に置かれると、途端にテーブル全体が華やいでみえる。さらに小さな花を添えると、それは更に際立った。

「とても素敵ね。いい具合なのではないかしら?」

 薄いブルーのテーブルクロスの上に置かれた白磁の食器はまるで大空の雲のようだ。黄色を基調とした装花が明るい雰囲気を演出しており、脇に置かれた銀製の蝋燭立てともよく合っている。とても素敵だと思った。
 華やかなテーブルを見つめて表情を綻ばせていたサリーシャは、「サリーシャ様」と呼びかける声でそちらに目を向けた。使用人のひとりがおどおどした様子でこちらを見つめている。

「どうかしたの?」