辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 ──でも、なんでそんなことを? 

 レニーナにはそんなことをする理由がない。むしろ、尻拭いが増えて自分の仕事が増すのだ。
 そのとき、ふと以前に『いろいろと思い描いていたことはあったけれど、機会を逸してしまったわ』と寂し気に言ったレニーナの顔が脳裏に蘇ってサリーシャはハッとした。

 ──もしかして……。

 真っ青になったサリーシャは、なにも言わずにただセシリオの顔を見つめることしかできなかった。


◇ ◇ ◇


 屋敷の使用人達が右へ左へと忙しなく動き回る。
 社交パーティ当日となったこの日、プランシェ伯爵家は朝から目が回るような忙しさだった。