辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 セシリオは両手でサリーシャの頬を包み込むようにしたまま、ヘーゼル色の瞳でまっすぐに覗き込んでくる。その瞳は、セシリオの真摯さを表すかのように澄んでいる。

「俺にはきみが必要だ。だから、俺のそばにいろ。俺の妻にふさわしいのは、きみだ」

 その瞳を見ていると、色々な気持ちが溢れてくる。
 この人が、好きだ。
 本当に、心から好きだ。
 セシリオが必要なのは、サリーシャの方だ。プランシェ伯爵家の皆がとてもよくしてくれるから気が紛れていたが、本当はとても寂しかった。ずっと会って抱きしめて欲しかった。

 ──だけど……。

 自分のせいでセシリオに迷惑がかかるのではないかということが、どうしても引っかかるのだ。

「でも……」
「でも、はなしだといっただろう? サリーシャは、俺と離縁したいのか?」
「いいえ、したくありません」

 サリーシャは真っ青になってぶんぶんと首を振る。