辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「はい」

 サリーシャが頷くと、セシリオの手がサリーシャの手に重ねられた。大きな手はサリーシャのそれを容易に包み込んでしまう。

「ただ、嫉妬した」
「──嫉妬?」

 サリーシャはその言葉の意図するところがわからず、セシリオを見つめた。セシリオはふっと視線を下にずらす。

「きみがパトリックには頼ったのに、俺には頼ってくれないのかと嫉妬した」
「閣下……」

 サリーシャは驚いて目を見開く。
 サリーシャから見ると、セシリオはいつも落ち着いている、穏やかな大人の男性だ。嫉妬などという言葉をセシリオから聞くことになるなどとは思ってもみなかった。

「それに、それだ」

 セシリオはサリーシャの唇をなぞるように指で触れた。扇情的なその動作に、サリーシャの胸はドクンと跳ねる。