辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 セシリオに悪いことをしてしまったという後ろめたさから、顔がこわばってしまう。無理に笑顔を作ったが、不自然ではないだろうか。
 セシリオはサリーシャと目と目が合うと柔らかくヘーゼル色の目を細めた。
 いつもと変わらぬその反応に、サリーシャはほっと胸を撫で下ろす。そのとき、サリーシャはセシリオが手に持っているカードに気が付いた。

「閣下、それは?」

 セシリオはサリーシャの視線に気付き、自分の右手を見る。そして、サリーシャに差し出すようにそれを見せた。

「今日、社交パーティー用の席札を作った? 廊下でレニーナに会って、五枚ほど書き間違えていると言われた」
「え!?」

 サリーシャはサッと青ざめた。あれほど注意を払ったのに、また間違えるなんて……。
 
 呆然とするサリーシャを静かに見下ろしていたセシリオは、持っていたカードに視線を移す。