辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 パトリックはそのときのことを思い出したのか、少し顔を赤らめて苦笑いする。
 望遠鏡とは、セシリオの贈ったあの望遠鏡のことだろう。セシリオはなぜサリーシャがあの場にいた理由を知られたくないような態度をとったのか悟ったが、同時に少し寂しくも感じた。

 ──パトリックには頼って、俺には頼ってくれないのか……。

 そんなことを思ったが、パトリックはなにも悪くない。セシリオはパトリックに礼をいった。

「そうか、それは助かった。夫として礼を言おう」
「いえ、構いません。誰かが困っていたら、助けるのは当然でしょう」

 セシリオは目の前に座るパトリックを改めて見つめた。
 この一年で背は高く伸び、すでに平均的な男性の身長と同じくらいはある。年齢的に、まだまだ伸びるだろう。顔つきは柔らかさを残しながらも凛々しくなった。そして、今の発言。

「パトリックは大人になったな」