辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 はっきり言えば、なにをしたいのかがさっぱりわからない。

 パトリックはセシリオの突然の訪問に驚いてはいたが、歓迎するように笑顔を見せた。

「叔父上、どうされましたか?」

 人懐っこい笑みを浮かべる穏やかな雰囲気は、父親のジョエルによく似ている。

「ああ。昨日のことなのだが、あれはなにをしていたのか教えてくれないか?」
「昨日? ああ、池でのことですね。サリーシャ様の落とし物を取っていました」
「サリーシャの?」
「はい」

 パトリックは笑顔で頷く。
 パトリックがいうには、サリーシャがラウルに望遠鏡を貸したところ、転んだラウルが池にそれを落としてしまい、サリーシャはそれを自力で取ろうとしていたという。

「座りこんでなにかしていると思って行ってみたら、裸足になってスカートをたくしあげていたので驚きました。僕がもう少し遅かったら、本当に水に入ってたんじゃないかな」