辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「それに、あの子もいい子だな。ローラとラウルがえらくなついている。目を引く美人だし、パトリックがあと少し早く生まれていたら、素晴らしい良縁だっただろうに。惜しかった」

 からかうようにジョエルがそう言うと、セシリオはムッとしたように口を尖らせた。

「──それは聞き捨てなりませんね」
「冗談で言っているだけだから、そう怖い顔をするな」

 憮然とした表情を浮かべるセシリオを見つめ、ジョエルは楽しげに笑う。そして、ふと窓の外を眺めると呟いた。

「レニーナにも、良縁があればよいのだがな」

 釣られて見た窓からは、青い空に白い雲が流れていくのが見えた。


***


 しばらく世間話を楽しんでから部屋に戻ったセシリオは、部屋の中がやけに静かなことに気付き、辺りを見回した。

「サリーシャ?」