辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

 その日の晩、セシリオは久しぶりにジョエルと酒を飲み交わしていたため、夜が遅かった。セシリオには先に寝ていてよいと言われたが、ちっとも眠くならない。

 セシリオがプランシェに来てくれた。
 それはサリーシャにとって、嬉しくもあり、怖くもあった。

 話したいことはたくさんあるのに、セシリオに優しくされると甘えて弱音ばかりを吐いてしまいそうな気がするのだ。それに、昼間のことを訊かれたらどう答えればいいのか、考えがまとまらない。

 時計を見ると、時刻は既に夜の十一時を過ぎていた。
 サリーシャは広いベッドに一人で潜り込むと、目を閉じる。けれど、意識は冴え渡り、一向に眠気はやってこない。窓の外でミミズクが鳴く声が、はっきりと聞こえた。

 一時間近くそうしていただろうか。ふいに、背後の部屋のドアがカチャリと開く音がした。

「サリーシャ?」