「あ、叔父上だ」
パトリックが呟いた時、サリーシャは表情を強ばらせた。せっかく贈って貰ったプレゼントを池に落としたなど、セシリオには絶対に知られたくなかった。
「二人の姿が見えたから来てみたのだが……。サリーシャ、パトリック、いったいどうしたんだ?」
びしょ濡れのパトリックと袖を泥で汚したサリーシャの姿に、セシリオは困惑したような表情を浮かべる。「実は……」とパトリックが話し始めたとき、サリーシャはとっさに話を遮った。
「なんでもございません。閣下には関係ありませんわ」
自分でも驚くほど、大きな声が出る。パトリックはびっくりして目を丸くしていた。
「──サリーシャ?」
こちらを見つめるヘーゼル色の瞳が戸惑うように揺れたのに気付いたが、サリーシャはその視線から逃げるように目を反らした。



