辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 2

「──その、窓からサリーシャ様がしゃがみこんで、ずっとここでなにかをしているのが見えたから」

 サリーシャがスカートを直すと、パトリックはサリーシャの方を向いて言い訳するように説明する。頬はまだ赤らんだままだ。
 サリーシャは気が沈むのを感じて目を伏せた。

「お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありません。──実は……」

 サリーシャはポツリポツリと事情を話し始める。一通りの話を聞き終えたパトリックは、池の方を見た。そのまましばらく静かに池を見つめていたが、ゆったりと片手を上げて一点を指差した。

「サリーシャ様が言っているのは、あれのことかな? あの少し大きめの岩の手前の──」

 サリーシャはパトリックの指差す方向を見た。視線の先には、サリーシャがもしかしてあれではないかと思った、鈍く光るものがある。

「そうです」
「よし、わかった。ちょっと待ってて」